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01夫婦善哉 [夫婦善哉]

年中借金取が出はいりした。節季はむろんまるで毎日のことで・・


タグ:夫婦善哉

02夫婦善哉 [夫婦善哉]

それでも、たった一人(ひとり)、馴染(なじ)みの安化粧品問屋(やすけしょうひんどんや)の息子(むすこ)には何もかも本当のことを言った。
 維康柳吉(これやすりゅうきち)といい、女房もあり、ことし四つの子供もある三十一歳の男だったが・・


03夫婦善哉 [夫婦善哉]

あくる日、柳吉が梅田の駅で待っていると、蝶子はカンカン日の当っている駅前の広場を大股(おおまた)で横切って来た


04夫婦善哉 [夫婦善哉]

三味線(しゃみせん)をいれた小型のトランク提げて電車で指定の場所へ行くと、すぐ膳部(ぜんぶ)の運びから燗(かん)の世話に掛(かか)る。


05夫婦善哉 [夫婦善哉]

まえまえから、蝶子はチラシを綴(と)じて家計簿(かけいぼ)を作り、ほうれん草三銭、風呂銭(ふろせん)三銭、ちり紙四銭、などと毎日の入費を書き込んで世帯を切り詰め、柳吉の毎日の小遣い以外に無駄な費用は慎(つつし)んで、ヤトナの儲けの半分ぐらいは貯金していたが、そのことがあってから、貯金に対する気の配り方も違って来た。


06夫婦善哉 [夫婦善哉]

剃刀屋で三月(みつき)ほど辛抱したが、やがて、主人と喧嘩(けんか)して癪(しゃく)やからとて店を休み休みし出したが



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