13夫婦善哉 [夫婦善哉]

お辰とちがって、柳吉は蝶子の帰りがおそいと散々叱言こごとを言う始末で、これではまだ死ぬだけの人間になっていなかった。という訳でもなかったろうが、とにかく二日後に腎臓を片一方切り取ってしまうという大手術をやっても、ピンピン生きて、「水や、水や、水をくれ」とわめき散らした。

 



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