02夫婦善哉 [夫婦善哉]
それでも、たった一人(ひとり)、馴染(なじ)みの安化粧品問屋(やすけしょうひんどんや)の息子(むすこ)には何もかも本当のことを言った。
維康柳吉(これやすりゅうきち)といい、女房もあり、ことし四つの子供もある三十一歳の男だったが・・
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維康柳吉(これやすりゅうきち)といい、女房もあり、ことし四つの子供もある三十一歳の男だったが・・
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05夫婦善哉 [夫婦善哉]
まえまえから、蝶子はチラシを綴(と)じて家計簿(かけいぼ)を作り、ほうれん草三銭、風呂銭(ふろせん)三銭、ちり紙四銭、などと毎日の入費を書き込んで世帯を切り詰め、柳吉の毎日の小遣い以外に無駄な費用は慎(つつし)んで、ヤトナの儲けの半分ぐらいは貯金していたが、そのことがあってから、貯金に対する気の配り方も違って来た。
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09夫婦善哉 [夫婦善哉]
三日経つと柳吉は帰って来た。いそいそとした蝶子を見るなり「阿呆やな、お前の一言で何もかも滅茶苦茶や」不機嫌極まった。手切金云々の気持を言うと、「もろたら、わいのもらう金と二重取りでええがな。ちょっとは慾を出さんかいや」なるほどと思った。が、おきんの言葉はやはり胸の中に残った。
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